一般質問 2023年6月28日

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物価高騰対策について

働く人の賃金が大きく下がり、経済成長が止まるという日本経済の長期低迷のうえに、物価高騰が暮らしと経済を直撃しています。こうした事態は、これまでになかったことであり、きわめて深刻な危機に直面しています。

この原因は、新型コロナウイルス感染症による世界的なインフレや、ロシアのウクライナ侵略などの外的要因だけではありません。弱肉強食の新自由主義がもたらした日本経済の構造的なゆがみが大元にあります。

大幅な円安を引き起こした異次元の金融緩和の無残な失敗が大きく影響しています。また大幅な円安であるにもかかわらず、構造的な貿易赤字が膨らんでいること。これは国際競争力の名で労働コストを削減する政策を進め、企業の海外移転が進み、日本経済の空洞化が進んだ結果であり、食料とエネルギーの海外依存を進めたことも、貿易赤字を拡大する結果となりました。

その上で、労働法制の規制緩和が連続的に進められ、非正規雇用労働者を拡大してきたことが、働く人の賃金が上がらない事態をつくり出しています。

今、区民の暮らしと営業は、深刻な事態になっています。「何か食べ物をいただけないでしょうか」これは私にかかってきた区民からの電話の声。他にも「食事や病院に行く回数を減らして節約していますが、電気代ガス代の値上げで節約したお金も無くなった」とか「子どもからお腹がすいたとつらい思いをさせてしまっている」などの逼迫した声が後をたちません。池袋で食料を配布するテントには何百人もの行列ができるほどの切迫した状況。

そこで最初の質問です。

Q.物価高騰が区民に及ぼしている影響について、そして、区民の置かれている状態について、区長はどのように認識されているのか、この点についてまずお答えください。私は豊島区が、自治体本来の役割を発揮し、区民の暮らしと営業を守るために、これまで以上に全庁を総動員し、あらゆる手立てを尽くしていくんだという並々ならぬ力を発揮していくことが必要と考えますが、区長の決意を伺います。

A.本年5月の消費者物価指数は、前年同月比で3.2%の増、プラスは21か月連続で、高水準での推移が続いています。また、中小企業景況によれば、本年1月から3月期の本区の景況は、マイナス19. 7ポイントとなっており、前期に比ベ厳しさが和らいでいるものの、依然として厳しい状況が続いています。光熱水費や食材など店活必需品の高騰は、区民の皆様の日常生活に直接、影響するものです。また、事業者の経済活動においては、原材料などの仕入れ価格が上昇するなど、厳しい状況にあると認識しております。

本区は、これまでも、長引くコロナ禍や物価高騰に対して、国や東京都が行う支援策に加え、ひとり親世帯への経済的支援をはじめ、利用者に値上げ分を転嫁しにくい高齢者施設や障害者施設、保育所などへの光熱費の支援など、区独自の支援を数多く展開してまいりました。また、先月には、「としまの子ども応援給付金」として、所得制限なく0歳から18歳までの子ども一人当たり2万円の支給を実施しております。

今後も、社会経済動向や、区民や事業者の皆様の状況をとらえ、区民に最も身近な自治体として、国や都に対し必要な支援を求めるとともに、区においても、区民目線に立ち、国、都、他自治体の動向も踏まえつつ、必要な対応をしてまいります。

次に、具体的な対策について順次、伺います。

消費税についてです。

今日の物価高騰の深刻な事態を招いているのは国の責任であり、豊島区の長として区長が毅然とした態度で国に働きかけることが、区民から求められています。消費税率が5%から8%、そして10%へ引き上げられたことで、1人あたりの負担は年間10万円も上がりました。物価高騰による負担に消費税10%が、さらに拍車をかけていることは間違いありません。そこへきて消費税のインボイス制度導入予定の10月1日まで3ヶ月余り。これは税率を変えない消費税増税に他ならず、負担増を強いられる小規模事業者や、個人事業主、フリーランスから「廃業せざるをえない」と、中止を求める声が大きくなっています。この声の広がりに、国は3年間の激変緩和措置をとるなどとしていますが、これでは問題は解消されません。

そこで質問します。

Q.区民から寄せられる声の多くは、生活が苦しくなった原因は消費税10%。税率を引き下げてほしいというものです。高野前区長はこの声に背を向け続けてきました。物価高騰がいっそう深刻になり、区民の暮らしが厳しくなっている今、高際新区長には区民から大きな期待が寄せられています。国に対し、消費税率の引き下げ、および、インボイス制度導入の中止を求めていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。

A.消費税の引き上げに伴う増収分は、全額を社会保障費に充当することとされており、待機児童の解消や幼児教育・保育の無償化など、子ども•福祉・健康施策等の充実に活用しております。

本区における消贅税率の引き上げに伴う増収分は、令和5年度当初予算においては約42億円となっております。一方、充当先である福祉費、子ども家庭費、衛生費等に必要な一般財源は、消費税の増税前の平成2 5年度の216億円に対し、本年度予算では306億円を計上しており、 増収分を上回る9 0億円増加しております。消費税が引き下げとなった場合、 その分、本区の歳入が減少し、福祉・子ども ・健康施策をはじめとする行政サービスの維持 ・ 向上が困難となることが想定されます。

また、 世界情勢の先行きが不透明な状況においては、これまで以上に、安定的に社会保障制度の財源を確保していくことが、必要となっております。このようなことからも、現時点において、国に対して消費税の引き下げを求める考えはありません。

また、インボイス制度については、複数税率のもとで適正な課税を行うために必要な制度であり、本区においては、広報としまに制度の周知や税務署による説明会の記事を掲載するとともに、 としまビジネスサポー トセンターにおいてセミナーを開催するなど、制度の円滑な導入に向けた取り組みを行っております。小規模事業者、個人事業主、フリ ー ランスの方への対応に関しては、 豊島法人会や豊島産業協会などが経済団体主催のセミナーにおいて、 会員を通して取引先 にもインボイス制度の周知を図っていただくよう区として働きかけを行っており、 今後も継続してまいります。このようなことから、 国に対して導入中止を求める考えはありません。

続いて区民の暮らし、営業を、豊島区として応援する給付金・支援金制度の拡充についてです。

物価高騰対策として、給付金の支給や経済的支援については、本来、国の対応が問われる問題ですが、あまりにも不十分であり、深刻な事態のもとで、たとえ時限的であったとしても、手立てを尽くすことが自治体の責務であると考えます。豊島区では「としまの子ども応援給付金」「ウイズコロナ販売促進費用補助金」を実施しています。新宿区では、住民税課税所得300万円未満の世帯に3万円の支給や、中小企業者・個人事業主に対し経営力強化支援事業補助金として最大140万円を決定しました。

そこで質問します。

Q.他の自治体では、多種多様な独自の給付金制度が実施されています。国の制度に支給対象の拡大、支給額の上乗せ、あるいは事業者に対する電気・ガス代などの緊急支援金、高齢者や低所得者を熱中症から守るために電気代とエアコン購入費の助成など意欲的に取り組まれています。こうした事例を参考にして、豊島区として独自の給付金・支援金制度を拡充してはいかがでしょうか。区長の所見を伺います。

A.先ほど答弁申し上げたとおり、本区では、昨年度は、介護・障害・保育サービス事業者への支援金の支給を、今年度に入ってからは、物価高騰が継続する中、子育て世帯への支援の充実のため、「としまの子ども応援給付金」の支給を実施しております。また、先の臨時会に計上した「住民税非課税世帯への給付金」の支給にあたりましては、区民の皆様の状況等を鑑み、本区独自の拡充策として、被扶養世帯の非課税世帯や、住民税所得割のみ非課税世帯を支給対象に加え、より広くご支援で きるよう、取り組んでいるところです。さらには、本年9月から、区立小中学校の給食費の無償化を実施いたします。また、ご黄問にありましたエアコン購入支援につきましては、令和3年度、生活保護世帯を対象に、購入費及び設置工事費の助成を実施しております。

このように、本区はこれまで、国・東京都の支援の対象とならない方々等に対し、区独自の様々な支援を行ってまいりました。今後も、物価高騰など社会経済状況、国や都の動向等を注視するとともに、区民の皆様の声を伺いながら、適切に対応してまいります。

都立大塚病院の独法化について

昨年7月1日、東京都が都立大塚病院を含めた都立8病院、東京都保健医療公社6病院、合わせて14病院の全てを地方独立行政法人化(独法化)したことで、140年以上の歴史がある東京都直営の行政的医療の病院が全て無くなってしまいました。都立病院は感染症、小児、周産期、精神、難病、障がい者、救急、災害時医療など不採算の医療分野で大きな役割を担っており、民間の医療機関だけでは担いきれない医療を連携しながら提供している、いわば都民の命と健康を守る砦です。

かつて、石原都政の時には、都立小児3病院の廃止・統合などが行われ、都立病院の廃止・縮小が行われました。小池都政における独法化計画は、2018年の都立病院経営委員会の提言に始まり、東京都が年間400億円を支出していることが問題で、赤字であるかのごとく取り上げていました。これを受けて小池都知事が、2019年12月に都議会で独法化することを表明しました。

独法化の問題の大きな点は、公的責任があいまいとなり、採算優先で住民サービスが後退する懸念が挙げられます。この独法化を都立病院に当てはめることに多くの反対の声が上がり、特に新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中での、独法化は中止してほしいという署名が、延べ40万人を超えました。

先に独法化された、健康長寿医療センターでは、直営だった都立老人医療センターの時よりも、東京都からの補助金が大幅に減額されました。すると病床数を減らした代わりに有料の差額ベッドが増えて入院時には10万円の保証金を支払わなければならなくなりました。また離職した常勤医師が補充できないという問題も発生しました。

多摩総合医療センター、荏原病院は独法化された7月以降に、医師の欠員が発生し、補充がなかなか進まないという問題が出ています。また、多摩総合医療センターでは夜間救急専用のER病棟を休止すると発表したところ、一般病棟のほとんどの看護師から、医療の後退であり、一般病棟の負担が増加するなどの理由で、反対されるという事態もありました。独法化から1年経過しますが、これは経営効率が優先される制度であり、都立病院に導入するのは間違っているという意見が後をたちません。

そこで質問します。

Q.区長は、東京都の財政支出が削減される可能性が高く、繰入金が減額されることについて、どのように考えますか。

A.都立大塚病院を含む都立病院・公社病院は、令和4年7月に地方独立行政法人東京都立病院機構による「新たな都立病院」として再スタートしました。

東京都は、独法化の実施にあたり、東京都立病院機構は都が100%出資して設立した法人であることから、 引き続き都立病院として、救急医療・周産期医療・小児医療など行政医療を安定的かつ継続的に提供していくと説明しており、採算の確保が困難な医療に係る経費についても、設立団体である東京都が負担することが法で定められており、 こうした医療を確実に提供する仕組みを担保する旨、表明しております。

こうしたことから、 都立大塚病院が地域の中核病院を担っていくうえで必要な経費については、今後も東京都から財政支出されるものと考えており、繰入金の額については、 その必要経費に伴い、決まるものと認識をしております。

Q.私が述べた都立・公社病院が独法化されたことにより現実に発生している問題は、今後、都立大塚病院においても起こりうる問題です。これらについて、どのように考えますか。

A.今後、高齢化とともに医療需要の一層の増加が見込まれることから、どの病院であっても医師や看護師の不足などによる欠員が生じる可能性があります。こうした状況にある中、地方独立行政法人においては、法人自ら人事や会計などに関する制度を柔軟に構築し、機動的に病院運営を行うことができることから、都立大塚病院においては、今後も安定的かつ柔軟な医療人材の確保に努められ、質の高い医療を提供いただけるものと考えております。

なお、ご質問にありました多摩総合医療センターにおける夜間救急専用のER病棟を休止する件につきましては、経営の効率化を優先して実施したものではなく、ER病床から通常の病床へ看護師を再配置することにより、病棟の配置を手厚くすることで夜間救急体制の強化を図ることを目的としたものである旨、東京都から聞いております。

Q.私は都立病院の独法化については今でも反対です。区長として、区民の命と健康を守る砦である都立大塚病院について、東京都に対し、公的医療を守り、さらに充実するように求めていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。答弁を求めます。

A.都立大塚病院は、言うまでもなく、区の地域医療を担う中核病院であり、二次救急や小児救急、周産期医療をはじめとした地域ニーズが高くかつ高度な医療分野を担っていると同時に、災害時には災害拠点病院としての役割も兼ねております。さらに、感染症協力医療機関として、新型コロナウイルス感染症患者を積極的に受け入れていただいております。

東京都立病院機構の定款においても、「東京都の医療政策として求められる行政的医療の安定的かつ継続的な提供をはじめ、高度・専門的医療の提供及び地域医療の充実への貢献に向けた取組み等を推進し、都民の健康を守り、その増進に寄与することを目的とする。」と示されております。

先ほど申し上げましたとおり、 東京都は、 東京都立病院機構は都が100%出資して設立した法人であることから、 引き続き都立病院として、救急医療・周産期医療・小児医療など行政医療を安定的かつ継続的に提供していくと表明しております。こうしたことから、 今後も都立大塚病院は、 公的医療を守り、さらに充実していただけるものと確信しておりますので、 区として改めて都へ要請する考えはございません。

池袋保健所の仮移転と本移転計画について

現在の池袋保健所は仮庁舎として、2019年に区民センターの隣から1度目の移転をしました。移転前の保健所は建築後20年と新しい建物でしたが、豊島区は設備更新と改修に今後10年で約20億円の費用がかかることや、ハレザ池袋が完成することにより街が大混乱し、事故が起こるなどという理由をつけて、移転計画を進め、土地はアニメイトに売却してしまいました。

今後の本移転については、2026年度、完成予定の南池袋二丁目C地区北街区の再開発ビルに2度目の移転をする計画です。

この間、豊島区は区有地を次々と減らしています。先ほど述べた池袋保健所跡地の売却、旧庁舎・公会堂跡地は定期借地にされ大企業に76年間も使われ、今の本庁舎の土地は大部分が区立日出小学校跡地でしたが再開発ビルの土地に利用されました。そのため豊島区役所本庁舎は民間ビルを区分所有することになり、池袋保健所も区分所有という同様の形態となります。豊島区の重要な2つの拠点が区分所有では、今後の改修工事に融通は効かず、老朽化し建物を解体する際には、土地はろくに残らないため、将来に不安を抱えることになります。

そこで質問します。

Q.昨年2月、豊島区は、本移転先の保留床購入費47億円を、議会に示しました。この時点は、移転計画の公表からすでに4年以上が経過していました。では、それ以前は、保留床購入費はいくらであると考えて、移転を計画していたのか、お答えください。

A.池袋保健所の本移転については、 平成29年11月の議員協議会において、「南池袋二丁目C地区」の保留床を購入した場合の経費が 20 億円台と見込まれるとご報告しております。

この数字は、旧保健所の実質有効面積である 3, 200平方メートルをベースとして、本庁舎の保留床の平米単価、 約80万円を参考値として乗じ、 約25. 6億円を想定したものです。

Q.保留床購入費47億円については積算根拠をお示しください。

A.保留床の価格は、令和3年の秋に南池袋二丁目C地区市街地再開発組合から約43憶円の提示を受けました。本庁舎の保留床単価をベースとして、 近年の土地・建物の価格の上昇率を2割程度考慮し、これに新保健所の保留床購入面積である4, 658平方メートルを乗じますと、約44.7億円となります。組合から提示を受けた、約43億円はこの額を下回っていることから、その妥当性を確認したところです。約47. 5億円の債務負担行為につきましては、この43 億円に今後の建築資材の高騰を見込み、限度額として設定したものです。

Q.設計費や内装費を加えると65億円もの巨額に膨れ上がってしまっています。そうであるならば、元の池袋保健所を改修し自前の土地、建物として使い続けることができたのではありませんか。

A.現在想定される本移転の費用からすれば、元の池袋保健所を改修し使い続けることができたのではないかとのご質問ですが、旧保健所を使い続けた場合の経費としては、大規模改修中の移転経費を含め、当時、約25億円の経費を見込んでおりました。

一方、今回の二段階移転プランでは、保留床47.5億円に内装工事等を加えた限度額64 . 8億円に、仮保健所整備経費約17億円を加えた約8 I. 8億円となります。ここから旧保健所の売却収入36 億円を差し引いた約45. 8億円が二段階経費のコストとなり、旧保健所を使い続けた場合の25. 6億円と比較すると約20 .2億円の増となります。

このように、新保健所の整備経贅は増となりますが、災害発生時における医療救護活動拠点となるほか、 女性の健康に重きを置いた健康センター機能を新たに追加することで、 旧保健所と比べて執務空間等が約l, 200m’増加いたします。また、東池袋駅に直結することや、地下通路とデッキで隣接する本庁舎とつなぐことで、 福祉や子育て支援サービスとの総合的な利用環境が飛躍的に向上いたします。

そもそも旧池袋保健所は、駐輪場が狭く、職員がすれ違うことが難しいほど執務室は狭小であり、待合スペースを廊下に設置しなければならないような状態であったことから、保健所の機能を拡充するためには限界にありました。さらに、旧保健所を継続していた場合、新型コロナウイルス感染症への対応は、スペースなどの面から極めて困難であったことは明白であり、保健所の二段階移転プランは最善の方法であったと考えております。

Q.庁舎を区分所有し、民間ビルと合築するということは、次の建て替えをどうするのかなどを考慮しておかなければなりません。その考えが無ければ問題の先送りです。いかがでしょうか。

A.区分所有し民間ビルと合築した庁舎の建て替えについてですが、本庁舎は、構造躯体と電気設備や給排水設備が分離し、設備の更新等が容易な設計であることや使用しているコンクリートの強度から、住宅棟を含め耐用年数は1 0 0 年程度となっているため、現時点で、建替えについて具体的な計画を立案しておりません。

Q.本移転計画の問題は山積しています。現在の池袋保健所仮庁舎の土地を取得して、地に足をつけて、未来を見据えて、誰もが安心して利用できる池袋保健所として運営すべきと考えます。答弁を求めます。

A.現在の池袋保健所仮庁舎の土地は、ご案内のとおり、独立行政法人UR都市機構から、令和6年12月31日までの期限付きではありますが、無償で使用を認められたものです。今後、南池袋二丁目 C地区工事の竣工にあわせ、URと令和8年12月31日まで無償使用期間を延長する予定としております。また、現在の仮庁舎地は、造幣局南地区のまちづくりのために活用されることが予定されていることから、C地区への移転を計画したものでございます。

コミュニティバス導入について

高齢化が進み、買い物難民が社会問題化しています。駅やバス停まで遠くて高齢者は特に大変。図書館に行きたい。公共施設を利用したい。病院まで行く身近な足がほしい。他の区と同じように豊島区にもコミュニティバスを実現してほしい。

移動手段が限られる高齢者や乳幼児がいる家庭が安心して外出できる環境が整うことにより、さらなる外出機会が増えて、また、乗り継ぎ等が多く交通が不便な公共公益施設へ直接、交通ルートができることで、外出機会が増えるだけでなく、地域の活性化にもなりうるものです。社会参加の機会を増やして健康増進に欠かせないという、以前から根強い区民のコミュニティバス待望論はますます高まっています。こうした声に応えることが自治体としての重要な役割です。

しかし、これまでの豊島区は一旦は導入を決めておきながら、その後は態度を一変し、「交通不便地域は少ない」とか、「道路に十分な幅が確保されていないので、特定整備路線が完成してから」などと、言い訳に終始しながら、コミュニティバス導入を先送りにしてきました。

ところが一方では、区民から要望は出ていない観光を主たる目的としたイケバスについては10台も購入し、2019年11月から運行しているのであります。このイケバスは、黒字になると強弁していた収支計画はもろくも崩れさり、多額の赤字が累積していても運行を続けています。こうした豊島区の姿勢に多くの区民が疑問を抱いています。

そこで質問します。

Q.高野前区長はイケバスについて「まちの価値を高める装置として将来も見据えて進めている事業」と議会答弁されていました。本年1月31日に行われた評価委員会の事業評価シートには、広告換算費総計6億6千万円とありますが、積算根拠が示されておりません。改めてお尋ねします。

A.イケバスの広告換算贅に関する積算根拠についてですが、評価委員会に提示した広告換算費は、当時、区が把握している範囲内で、日本広告業協会の放送広告料金表等を基準に民間の専門会社が、テレビやラジオなど各媒体ごとの露出件数に基づき算出したものとなります。

Q.これまでに「まちの価値」がどのように高まったのか。具体的にわかりやすく区民に説明する責任があります。いかがでしょうか。

A.「まちの価値」がどのように高まったのか区民の皆様に対して説明することについてですが、イケバスによるまちの魅力や価値の向上については、ホームページ、SNS、イケバス情報紙など多様なツールを活用し、具体的にわかりやすくお知らせしております。

Q.イケバスの車両でなくても、他区で運行しているコミュニティバスの車両や、ワゴンタイプの乗用車などの車両でも同様の役割は12分に果たせると私は考えますが、いかがでしょうか。

A.他区で運行しているコミュニテイバス車両などでも同様の役割が果たせることについてですが、イケバスは、車窓から風景を楽しみながら、誰もが安全・安心にまちを回遊できる車両です。

これは、最高時速19キロメートルでゆっくりと走行するため、コミュニティバスや乗用車とは異なる横向きの座席配置を採用することにより可能となっております。

Q.安全面がしっかりしていて、メンテナンスも少なく、冷暖房という快適性もあり、きちんとしたスピードが出る車両の方が、イケバスよりも優れていますが、どのようにお考えでしょうか。

A.イケバスは冷暖房設備の無い、環境に配慮したグリーンスローモビリティが周遊し、まちの魅力や価値を高めるという導入コンセプトの実現に最適な車両だと考えております。

Q.導入から4年目をむかえたイケバスは、縮小ならびに廃止を含めた見直しを検討すべきではないでしょうか。

A.イケバスの縮小や廃止を含めた見直しを検討することについてですが、イケバスの利用者数は現在延べ2 8万人を超えており、グリーンスローモビリティとしての規模は突出しているとともに、 街のイメージアップに大きく貢献しておりますので、 縮小や廃止を含めた見直しは検討しておりません。

Q.区民が切に願ってやまないのは、コミュニティバスです。この声に今こそ応えるべきです。運行ルートとしては、バスが走っていない宮仲公園通りや、折戸通り、極端に少ない春日通りが、近隣住民から強い要望として出されています。ただちにコミュニティバスの検討をすすめ、まずは試験的に導入することを求めます。

A.コミュニティバスの導入については、 都市計画道路の開通に併せた路線バスの検討をはじめ多くの課題をひとつずつ整理解決することが必要となるため、試験的な運行も含め早急にコミュニテイバスを導入することは難しい状況です。

公園の整備について

豊島区の人口ひとりあたりの公園面積は23区中、とても残念なことに最下位です。みどりがあふれ、子どもから大人まで楽しく集える憩いの空間の公園を大胆に増やし、地球環境にもやさしく、これからの豊島区のまちづくりの中心的な課題としてすすめていくことが、区民から強く求められています。また既存の公園については、中小規模の公園が多いため、いつでも誰でも利用できて使いやすくするために、積極的な改修整備を進め、維持管理、特に清掃に力点を置き、規模の大きな公園と同じように力を注ぐことが重要と考えます。

そこで質問します。

Q.公園の数を増やし、みどりの面積を拡大することが必要と考えます。すぐに取りかかれる土地を提案いたします。北大塚三丁目児童遊園だった跡地は、2009年に廃止され、10年以上もの長期にわたり、閉鎖され、未利用地として、これまでなんら活用されずに放置されたままとなっています。まず最初にこの土地を公園として整備してみてはいかがでしょうか。

A.北大塚三丁目児童遊園跡地を公園として整備することについてです。北大塚三丁目児童遊園跡地は、道路に接する間口が9. 8メートルと狭く、奥に細長い2 2 1平方メートルで、公園としては小規模な敷地です。

一方、直近に西巣鴨公園があり、4千平方メートルを超える上池袋東公園も平成2 0年に整備いたしました。この地域の公園は適正に配置されていると考えておりますので、当該の敷地を再度、公園等にする考えはありません。

Q.新しい遊具の設置についても工夫が必要です。インクルーシブ遊具の設置もすすめていただきたいと思います。また、小規模の公園でも工夫次第で、子どもの遊具、大人も活用できる健康遊具の設置が可能です。全体としてバランス良く配置をすすめていただきたいと考えますが、現在の計画をお聞かせください。

A.インクルーシブ遊具はこれまで、9か所の公園・児童遊園に設置してきました。遊具などの設置方針として、老朽化した遊具は、できるだけインクルーシブ遊具に取り換え、区内各地域に設置していくこととしております。

Q.ベンチの数を増やしてほしいという声が寄せられます。しかしながら、ただ単に増やしてほしいというものではなく、ゆっくりとくつろげる、座り心地のいいベンチを増やしていただきたいと考えます。

A.ベンチの設置にあたっては、標準的な規格のものを使用することとしています。特段の対応をすることは考えておりません。

Q.ホームレス対策としてベンチに仕切りや突起物が付けられていますが、これがあるために、先日、急に具合の悪くなった女性を横にしたくてもできませんでした。熱中症になった時に横になることもできません。誰も排除しない公園であるためにも、ベンチの仕切りや突起物は必要のないものと考えます。いかがでしょうか。所見を伺います。

A.公園のベンチにおける仕切りや突起物についてですが、ベンチで寝てしまうなど、長時間にわたる独占を防止するとともに、できるだけ多くの方に譲り合いながら利用していただきたいと考えております。従いまして、ベンチの仕切り や突起を撤去することは現状では考えておりません。

自転車をとりまく環境整備について

脱炭素社会への機運が高まり、環境にやさしく、健康的な乗り物である自転車は、コロナ禍において通勤利用が増えたことにより、ますます利活用が高まっています。

これまでに豊島区が行なってきた自転車等駐車場、いわゆる駐輪場整備は、特に鉄道駅周辺の放置自転車の減少という目標に向けて、限られたスペースに駐輪できる台数をできるだけ確保するという手法が主眼に置かれてきました。そのために、駐輪場のラックが上下2段になり、間隔がたいへん狭い、非常に駐輪しにくい状態となってしまっています。

そこへ来て近年は、チャイルドシート付き3人乗り自転車、電動アシスト付自転車など重量が重く、幅広の自転車が増えていることで、1人では止めることができない子どもや女性、高齢者の姿に度々出くわします。またタイヤの幅が太くて駐輪できないという自転車もあります。豊島区は対策として「思いやりゾーン」を部分的に導入していますが、少なすぎて、ほんとうに利用したい方が、ほとんど利用できない状態です。

自転車が撤去されないようにと、仕方なく苦労して止めている方が多く、現行の駐輪場の形態は、利用者の実情にそぐわない状態が放置されていると言わざるを得ません。

そこで質問します。

Q.平置きで間隔を広くとって2段になっていない駐輪スペースを「思いやりゾーン」と特別にうたっている事自体が、もはや間違っていると感じます。これが特別だという考え方を改めて、まずはスタンダードにしていくという発想に転換すべきではないでしょうか。

A.現状、自転卓駐車場には、思いやりゾーンを設けております。最近の自転車の多様化により、ラックに停めることのできない電動アシスト自転車などを、思いやりゾーンに置いていただいておりますが、駐輪台数の確保が必要なことから、思いやりゾーンをスタンダードにすることは考えておりません。

Q.誰も苦労することなく、いつでも安心して止められる駐輪場の整備をすすめていただきたいと考えます。所見を伺います。

A.自転車駐車場の整備については、駅ごとに必要な台数を確保すべく、状況に合わせて整備を行っています。整備にあたっては「思いやりゾーン」も含め、利用者が使いやすく、かつ管理が行き届くような整備を、心がけています。今後も、この方針に沿って整備を進めてまいります。

自転車ヘルメット着用が、4月に全年齢で努力義務となりました。警察庁によると昨年の死亡者の割合は着用の有無で2.6倍の開きがあり、事故から命を守るためには必要ですが、着用している方は少なく定着にはまだ時間がかかりそうです。今回、提案された東京都の補助金を活用した2千円の自転車ヘルメット購入補助が着用に大きな役割を果たすものと期待します。

そこで質問します。

Q.2008年、13歳未満の子どもについては、ヘルメット着用の努力義務が保護者に課されました。豊島区は、すでに13歳未満と65歳以上には2千円の購入補助を実施しています。全年齢一律の補助額とするのではなく、この対象年齢の補助額については、さらに上乗せして、子どもと高齢者のヘルメット着用促進をすすめてみてはいかがでしょうか。所見を伺います。

A.これまでは、交通弱者を守るという観点から、若年層と高齢者に対象を絞っていました。今定例会において提案させていただいた補正予算は、これまでの年齢制限をなくし、すべての区民の皆様に安全・安心をお届けすることが狙いです。今後の補助のあり方については、普及の状況を見て判断したいと考えております。現時点での、さらなる上乗せは考えておりません。

受動喫煙防止対策について

豊島区が「路上喫煙及びポイ捨て防止に関する条例」を施行してから、12年が経過しました。この間、様々な周知啓発活動を行なっていただき、町会や商店会、ボランティアの皆様の努力もあって、路上喫煙の数は年々減少しています。おかげさまで以前のような「たばこの火で子どもが危ない思いをした」というような声もだいぶ少なくなりました。活動を継続していただいていることに心から感謝いたします。

その一方で、喫煙する場所が少なくなったことによって、私有地など喫煙を認められている場所に喫煙する人が集中していることに対して、「受動喫煙が心配です。なんとかしてほしい」という区民の声が寄せられています。

その1つが、灰皿ボランティア制度です。12年前に路上喫煙防止条例が施行された時は200を超えていた数が、昨年は27にまで減少しています。この制度があることによって、路上喫煙を防止し、吸い殻のポイ捨てを防止し、街の環境美化に大変寄与しているということは重々承知しております。しかしながら、歩行者等の通行量が多い場所においては心配の声があることも事実です。

豊島区は2021年度に、受動喫煙防止対策本部を立ち上げています。公衆喫煙所設置については、民間事業者に設置助成を行っていますが、設置できたのは一か所だけです。

そこで質問します。

Q.豊島区として、受動喫煙が生じないように対策を講じていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。所見を伺います。

A.区では昨年「受動喫煙防止対策本部」を立ち上げ、路上喫煙やポイ捨て、たばこの煙に関する苦情等に対して、パトロールの増強、啓発看板の設置拡大、地域の方々と連携した啓発イベントの実施など、様々な対策強化を講じております。また、公衆喫煙所の増設については、昨年度から「民間事業者等による公衆喫煙所設置等助成制度」を開始し、WACCA池袋の5階に設置され、大変多くの方々にご利用いただいております。今年度から設置要件等を緩和したところ、新たな設置箇所のご相談もいただいておりますので、今後もこの制度を活用した公衆喫煙所の設置を推進してまいります。

フリーWi-Fi設置について

本会議初日、高際区長が召集あいさつの中で、「区民ひろばや地域文化創造館にフリーWi-Fiの設置をさらに拡充する」と表明がありました。大事なことだと思います。今やスマートフォンは必需品となり、ご高齢の方も以前は「アカウント設定など操作が難しい」と敬遠される方が多く見受けられましたが、「画面が大きくて見やすい」「家族とのコミュニケーションが取りやすい」など、普及が進んでいます。豊島区においても、高齢者向けスマホ講座が行われており、これからますます普及が進んでいくと考えられます。区有施設にフリーWi-Fiの設置が求められています。

そこで質問します。

Q.上池袋コミュニティセンターなどの区民集会室、東部区民事務所の集会室など設置されていない集会室や、区民が利用する施設に、フリーWi-Fiの設置をすすめていただきたいと考えます。所見を伺います。

A.本区では、公衆無線LAN「としまフリーWi -F i」を、 主にインバウンドや観光、防災を目的として、区役所や東部区民事務所など区内大型公共施設をはじめ、区内鉄道駅周辺、公園・学校等8 2か所に整備しています。また、各図書館やI keBizなどには、独自のフリーWi -Fiを整備しております。

現在、高齢者の方々でも使いやすいデジタル環境の整備と、サポート体制の充実を目的として、区民ひろばや地域文化創造館にフリーW i-F iの設置を進めております。

今後につきましては、フリーW i -F iの利用状況や利用者の声などに加え、これにかかる経費などを検証しながら、整備方針について検討を進めてまいります。

以上

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