はじめに、元日に発生した能登半島地震で、お亡くなりになられた方々に哀悼の意を表しますとともに、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。
2024年度予算について
「失われた30年」といわれる経済の停滞により、暮らしが疲弊しきったところに、さらに物価高騰が追い打ちをかけています。これは、財界・大企業の利益を求めた自民党政治がつくったゆがんだ社会によるものです。こうした最中に、自民党の政治資金パーティーをめぐる裏金問題に、国民の怒りは沸騰し頂点に達しています。
区民の暮らしは厳しさを増すばかりです。支援団体が行なっている路上生活者の食糧支援を、以前では想像もつかなかった数の人々が利用しています。寒空の下、生活保護利用者、子ども連れの女性や、非正規雇用の方などです。また、私に寄せられるのは「働いても働いても収入が少なく、人生に希望も未来も感じられない」。このような悲痛な叫びといえる声が後を絶ちません。ご高齢の方は、少ない年金収入、高すぎる国保料、介護保険料。そこへ物価高騰が押し寄せ、毎日厳しい生活を送っています。
2024年度予算案は、一般会計は1,529億円と過去最大規模が示され、新規・拡充事業は、84億円と前年度比2倍を超えています。区長が招集あいさつで述べた「区民生活を支えるため、区がやるべきことを考え抜いた、区民目線の予算案」として、新規採用職員を前年度の2倍。産後ケア産後ドゥーラの充実。医療的ケア児受け入れの環境整備。再生可能エネルギー・省エネルギー機器への助成を倍にする。おたっしゃカード回数増。75歳以上の高齢者にエアコン設置費用助成等があり、評価いたします。しかし、多くの困っている区民の声に応えている予算とは言えません。
そこで最初に伺います。
Q.厳しい暮らしをしている区民からは、どのような声が届いているのでしょうか。高際区長誕生後、初めての当初予算編成ですが、厳しい区民の暮らしの実態を、どのように受け止めたのでしょうか。本予算で、厳しい暮らしをしている区民が、どのように救済されるのでしょうか。見解をお聞かせください。
A.私は区長就任以来、区民目線を大切にすることを区政運営の根幹に置いております。その信念のもと、私自身、各地域におけるイベントや会合等に積極的に参加し、多くの皆様からお話を伺ってまいりました。そして、区民の皆様の思いを受け止め、改善すべきことはスピード感をもって対応したいと考え、様々な取り組みを進めてまいりました。これまで、個々の区民の皆様から、物価高のことや、出産費用のご負担、多子世帯における食糧費等における負担のこと等、様々なお声を伺いました。また、障害者団体や商工団体等、地域の様々な団体との懇談においても、例えば、子ども食堂を利用する子どもが増えていて、家族の分まで持ち帰りたいという子が多くなっていること、また、障害のある方が利用される白杖等、日常生活用具の価格高騰について、さらには事業経営における人件費、材料費などの値上がり等、暮らしや事業活動の状況についてお伺いをしています。そうした機会を通じ、まだ物価高騰が収まっていない現在、特に、低所得世帯や中小事業者の皆様にとって厳しい状況であることについては、認識をしているところです。
こうした厳しい状況を受け止めた上で、令和6年度予算では、区民の皆様の暮らしや事業活動などに対する経済的支援の強化を図る事業を計上しております。
出産・子育て世帯に対しては、妊婦健診の減免、出産費用の実質無償化、出産・子育て応援ギフトによる支援、産後ケア事業の減免、多子世帯への私立幼稚園給食費の負担軽減、学校給食費の無償化の継続、児童養護施設退所者等への給付型奨学金や支度金による支援等であります。
また、高齢者の皆様に対しては、おたっしゃカードの利用回数の拡充等のほか低所得の高齢者世帯へのエアコン設置助成を初めて実施いたします。さらには、区民の皆様の健康を守るための経済的支援として、子宮頸がんワクチンや帯状疱疹ワクチンの接種助成、がん患者の皆様へのウィッグ・胸部補整具等購入費用助成額の拡充を行います。熱中症予防対策として実施するエアコンの設置助成を、生活保護世帯にも実施いたします。
そして、事業活動に対する経済的支援として、商店街へのイベント補助や、プレミアム付き地域商品券事業への支援、さらに中小事業者に対する経営基盤強化や新商品開発、起業への支援を進めてまいります。このように、様々なライフステージごとに、また、中小企業の皆様に必要な支援を実施してまいります。申し上げましたとおり、令和6 年度予算は、全職場で区民目線で考え抜いて、編成をしております。ただいま申し上げました事業の他、令和6年度予算の編成を行う中で、当初予算には計上していないものの、課題としてとらえ、継続して検討していることも数多くあります。今後も、区民の皆様の暮らしや事業活動の状況をしつかりと見ながら、そして区民の声を伺いながら、また事業の優先順位と既存事業の見直し等を行いながら、必要な支援を行っています。
区民の切実な要望を実現するには課題が山積しています。
まず歳入確保について伺います。
Q.法人住民税の一部国税化61億円、地方消費税の精算基準の見直し13億円、ふるさと納税26億円の減収見込み。この3つで100億円の減収です。加えて、国の都合で全国自治体が行う情報システムの標準化に、本予算は12億円ほど計上。国は「全額負担する」と言いましたが、予定総額30億円に対し、2億数千万円しか出さないと、自らの約束を反故にする態度です。わが党は、制度そのものが、区民も区財政も不利益をこうむるとして反対していますが、歳入減という点で看過できません。直接、国に制度の見直しと、全額負担を求めるべきです。歳入確保も区長の重要な役割です。所見を伺います。
A.法人住民税の一部国税化、地方消貨税の清算基準の見直し、ふるさと納税による不合理な税制改正の影響額は、年々、増加傾向にあり、特別区長会を通じ、総務省等へ制度改正を要望しております。
システムの標準化については、業務の効率化やDXの推進が図られることから、制度自体の見直しを求める考えはありませんが、費用負担については、特別区長会を通して、国が費用の全額を負担するよう要望をしております。こうしたことから、国は地方自治体への補助金を約5, 000億円増額しております。
引き続き、特別区長会をはじめ、全国市長会や東京都とも連携しながら、国に対して声を上げ、不合理な税制改正の是正や、標準化完了までに係る経費は全額国庫負担とするよう求めてまいります。
次に、年度途中に入ってくる歳入の活用について伺います。
Q.国が実施する定額減税の影響で特別区民税の減収分、約12億5千万円。また、都が実施する区立小中学校の給食費無償化の半額分、約3億5千万円が、年度途中に補填されることになりますが、この歳入を、どのように活用するのでしょうか。
A.国の定額減税による減収を補うため、財政調整基金が減少していることから、国による補てんの歳入は財政調整基金に積立てを行います。
東京都からの交付が見込まれる給食費無償化への補助金は、今後の補正予算において、財源更正により教育費の特定財源として充当する予定であります。
Q.積極的に物価高騰対策等に活用すべきですが、どのように考えますか。お答えください。
A.これらの歳入の活用想定については、先ほど申し上げたとおりであります。なお、これらの歳入の有無に関わらず、年度途中の社会経済情勢の変化に対応するための対策が必要となった場合には、適宜適切に補正予算に盛り込み、事業を展開してまいります。
次に、無駄遣いを一掃することについてです。
今まさに税金の使い方が問われています。投資的経費が前年度比71億円増、248億円が計上され、これに補助金総額228億円の東池袋一丁目地区に41億円。補助金総額337億円の南池袋二丁目C地区に41億円が含まれます。こうした再開発が歳出を大きく押し上げています。C地区には、池袋保健所本移転として、保留床購入費と設計費、内装費で65億円が使われることになります。総額1,279億円の事業に402億円、税金依存3割を超えるタワーマンション計画に、大企業が儲け、人口は増えるかもしれません。しかし、その一方で、家賃が払えない、何度申し込んでも公的住宅に入れないという多くの区民がいます。こうした貧困と格差をつくり出しているのは国ですが、迎合して予算編成するのはいかがなものかと考えます。
また、イケバスに1億5,900万円の計上。赤字が蓄積し、故障も多く、区民から「中止してコミバスを運行してほしい」と多くの声があがっています。
こうした歳入確保、無駄遣い一掃、加えて基金を活用すれば、さらなる区民の切実な要望を実現することができます。多くの区民が求めているのは、物価高騰対策、税・保険料の負担軽減です。
そこで伺います。
Q.予算全体として、高齢者支援策は少ない印象が否めません。大幅に拡充すべきです。
A.一人暮らし高齢者の割合が日本一の本区において、高齢者への支援は極めて重要であり、取り組みを進めるべき「8つのまちづくり」の一つに「シニアライフの充実」を掲げております。令和6年度一般会計予算案における高齢者福祉費は、約24億1,500 万円。前年度比約3億円増で、福祉費においてもっとも拡充額が多い状況です。新規・拡充事業では、東部地域包括支援センターのブランチの設置による相談体制の強化、高齢者低所得世帯へのエアコン設置助成、入浴特化型通所サービスの提供、おたっしゃカードの拡充などを計上しており、また、既存事業においても、補聴器購入費助成や養護老人ホーム入所措置等の需要の増加に対応した、扶助費の増額も行っております。区といたしましては、令和6 年度も介護予防、認知症対応、権利擁護等、様々な面から高齢者の皆様の暮らしの支援を進めてまいります。
Q.国の一回限りの定額減税では、お茶を濁す程度で全く不十分。区独自の物価高騰対策給付金を実施すべきです。
A.物価高騰対策としての給付金の支給は、国が行うべきものであり、区が独自に一律の給付を行うべきものとは考えておりません。区といたしましては、物価高騰対策としての支援を行う際には、国や東京都の支援の対象外となる世帯や、値上がり分を価格に転嫁できない事業者等に対して、ピンポイントに支援を行う考えであります。
今後も社会経済情勢に注視しつつ、国や東京都、他自治体の動向の把握に努めながら、区民の皆様の声をしっかりと受け止め、必要な支援策を検討し、実施してまいります。
異常なまでに上がり続けている国保料の負担軽減策が求められています。
Q.国保料が高い、高すぎるという認識がありますか。
A.国民健康保険は被用者保険に比べて加入者の年齢構成が高く一人あたり医療費が高い一方、無職や低所得者が多く、加入者の保険料負担が重いという構造的な課題を抱えていると認識しております。
Q.直接、国と都に国保料の引き下げを求めること。
A.これまでも特別区長会ではあらゆる機会を捉え、国や東京都に対して国庫負担割合の引き上げなどを要望してまいりました。昨年も、7月には国に対して、8月には東京都に対して被保険者の保険料負担軽減を図ることなどを要望しております。また、11月には特別区長会会長および副会長が武見厚生労働大臣と面会し、国民健康保険制度の見直しを強く求めました。今後も引き続き、被保険者の負担に配慮した財政支援などを要望してまいります。
Q.区としても負担軽減を最大限行うことが必要と考えます。
A.これまでもご答弁申し上げましたが、保険料率等については、原則として2 3区統一で対応しており、負担の公平性の観点からも、更なる法定外繰入を区独自で行う考えはありません。
Q.再開発に投入される巨額の税金を、わずかばかり振り向けるだけで、社会保障の住宅施策が実現できますが、どのように考えますか。合わせて答弁を求めます。
A.市街地再開発事業は、老朽建築物が密集する地域での都市機能を更新することで、防災性を飛躍的に高めるとともに、公共施設の整備や地域経済の活性化など、豊島区のさらなる発展へとつなげていくものであります。これに係る本区の支出は、都市再開発法等に基づく市街地再開発事業者への補助であることから、他事業に振り向けるという考え方はございません。
なお、本区では、住宅に困窮する低所得者に対する住宅施策として、「安心住まい提供事業」に加え、民間賃貸住戸を活用する「セーフティネット専用住宅」への家賃低廉化補助を行っております。今年度末には「豊島区住宅マスタープラン」の改定を予定しており、このプランに基づき「ここに住みたい、住み続けたい」と思えるまちにするため、今後も必要な住宅施策を実施してまいります。
以下、個々の事業について取り上げます。なお、子育て、教育については、明日、清水議員が質問します。
震災・防災対策について
防災危機管理課をはじめ、職員のみなさんが、能登半島地震被災者救援を行なっていることに敬意を表します。
250人を超す死者・安否不明者を出した能登半島地震。死因の多くは倒壊家屋の下敷きによる圧死と、低体温症・凍死でした。とても悔やまれます。この地震で起きた現実を自らのことと捉え、区政に反映することが求められます。
最初に伺います。
Q.震災から、まずは、区民の命を守ることが最重要課題です。区としてどのような対策を講じているのか、また今後どのように取り組んでいくのか。見解を伺います。
A.大震災が発生した場合、初動対応が極めて重要であり、その中でも大きな柱の一つが発災時の避難です。区では、被災者を誰ひとり取り残さないことを目的に、特に高齢者や障がい者など、災害時要援護者への対策を総合的に進めています。自力での避難が困難な方の個別避難計画づくりに着手するため、区内介護事業者と連絡協議会を設立し、発災時の安否確認や介護サービス提供体制の構築を進めています。
また、区内に3 5 か所ある救援センターにおいて、地域住民の皆様を対象とした救援センター開設・運営訓練を行っているほか、町会や区民ひろばにおける防災講話や防災授業、防災士育成講座、防災フェスの開催などにより地域防災力の向上に努めております。
更に、ハード面の対策として、まちの防災力を高めるための、東京都と連携した無電柱化の推進や、区内の4割を占める木密地域の不燃化・耐震化、また、木密地域における木造建物を対象とした感震ブレーカーの無償配布など、都市強靭化を強力に進めております。
今後は、災害時要援護者への対応や建物の不燃化・耐震化の更なる促進など加え、今回の能登半島地震などの被害状況や教訓事項を踏まえ、携帯トイレや簡易トイレの備蓄の増強とマンホールトイレ整備の着実な推進、女性のきめ細かな視点を取り入れた救援センターの環境・衛生面の整備や家具転倒防止器具等在宅避難に必要な物資の普及促進など、引き続き災害への備えをハード・ソフト両面から進め、区民の皆様の命と暮らしを守ることを最優先に取り組んでまいります。
次に、避難所について伺います。
発災当初は避難所に被災者が入りきれず、雑魚寝の状態。今も、避難所不足で、旅館・ホテルを活用しています。これまでも区民から、防災訓練等の度に「収容しきれない」と、たくさんの不安の声が寄せられています。
そこで伺います。
Q.特に近年は、感染症対策としても空間の確保が必要です。震度7の首都直下地震が起こった際、現状の避難所だけで被災者を受け入れることができますか。
A.本区の避難者数は、令和4年5月公表の「首都直下地震等による東京の被害想定報告書」によると、10年前の3 万4, 11 5 人から3 万2, 1 3 6 人へと微減しています。
本区では、感染症対策を踏まえた救援センターの収容可能人数は、現在改築中の西部区民事務所を除いた3 4 救援センターで1 万7, 6 5 7 人と想定しています。
救援センターで収容できない方々については区内4 5か所ある、補助救援センターで収容することになっていますが、すべての被災者を受け入れられない可能性もあります。
Q.避難所運営や備蓄物資等の改善とともに、避難所の増設が必要と考えますが、いかがでしょうか。所見を伺います。
A.収容人数の増加を可能とするために、救援センター内での使用可能スペースの確保を図り、併せて、感染症対策と収容人員が増えた場合のプライバシー保護に有用な、段ボール間仕切りの備蓄数を増やすなどの、避難所運営や備蓄物資等の改善が必要と考えております。今後、こうした改善を図っていくこと、及び、耐震化や耐火が進むことで避難者数が将来的には減少していく傾向にあると考えられることから、救援センターを増設する考えはありません。
次に、震災による火災に対する備えについて伺います。
輪島市の象徴、朝市周辺で大規模火災が発生しました。私は昨年の決算特別委員会で、感震ブレーカーの重要性と拡大について取り上げました。
Q.区はブレーカーに取り付ける簡易型、東京都はコンセント型を無償配布していますが、ほとんどの対象地域が重複しています。都に事業の延長を要請し、連携しながら、対象地域を拡大することが必要です。
A.本区の配布する感震ブレーカーは、東京都が配布しているコンセントタイプ型感震ブレーカーと異なり、ブレーカーに直接設置するため、感震ブレーカーに接続している一つのコンセントだけでなく、家全体の電気を瞬時に遮断することができるタイプの感震ブレーカーです。
本区の事業として感震ブレーカーを無償配布する対象となる3 3丁目中、12丁目が、東京都の配布対象地域と重複していますが、本区が配布するブレーカーは、家全体の電気を広く遮断できるものです。本区では、まずは、発災直後の火災発生の可能性の高い「不燃化特区指定地域」と「火災危険度4 以上」の地域に対して重点的に設置をしていくことを目指しているので、東京都への事業延長を要請した上で、対象地域の拡大を行うことは考えておりません。
Q.また、高いところのブレーカーにつける簡易型は、取り付けが大変で、高齢者等から「付けられない」という声があります。設置に当たり、サポート体制が必要と考えますが、改めて伺います。
A.取付けについては、ご自身での設置をお願いしておりますが、お送りしている「感震ブレーカー無償配布のご案内」には、「取付代行サービスを希望の方は下記へご連絡ください」として、防災危機管理課の電話番号を記載しております。よって、ご連絡をいただいた方に対しては、豊島区民社会福祉協議会で実施している、協力員が高齢者や障がい者宅に出向き、蛍光灯の交換、カーテンの取り換えなどを30分500円で行う「困りごと援助サービス」事業を活用いただくことをお勧めするなどし、高齢者の方などへのサポートもしてまいりたいと考えております。
次に、防災用品購入の助成制度創設について伺います。
Q.防災用品のあっせんは、高くて利用実績が少なく、毎年減少しています。物価高騰対策として、救急セット、非常用食品、家具転倒防止器具等の購入助成制度の創設が必要です。所見を伺います。
A.避難所における避難生活でのストレス軽減や感染症対策等の観点から、自宅に大きな被害がなければ「在宅避難」が有効です。今回の、能登半島地震で亡くなった方の死因は、警察庁によると約4 1 パーセントが家屋倒壊や家具転倒などによる圧死で、死因の中で最も多かったとのことです。
たとえ、家が倒壊しなくても、家具転倒によって圧死したり大怪我をする場合があることから、家具転倒防止器具の設置は防災の観点から非常に重要であると認識しております。そこで、多くの方に家具転倒防止器具の設置の重要性の周知を図るとともに、高齢者などの災害弱者に対しては、能登半島地震の被害状況を踏まえ、家具転倒防止器具の購入助成についても検討しております。
なお、救急セット、非常用食品などについてですが、これらは日常で少しずつ使う、使う分を買い足しておく、そしてそれを備蓄するという、使う、買い足す備蓄する、の3 つのパターンを繰り返すローリングストック方式が備蓄を継続していくうえで有効であることから、これら日用品に対する購入助成については考えておりません。
生活保護施策の改善と拡充について
国が、社会保障を次から次へと削減しながら、税・保険料等の負担増を国民に押し付けています。生活保護基準についても大幅に引き下げています。高際新体制は、ここにこそ光をあてるべきです。
まず、生活保護世帯のエアコン購入費用助成制度についてです。
助成額が工事費込みで上限80,000円。何軒か電気店に問い合わせたところ、いずれも「80,000円では買えない」とのことでした。2021年度の73,000円助成の時は、利用したのはわずか18世帯。利用しなかった方に話を伺ったところ、「電気代も高いし我慢した。今度は助成額を増やしてほしい」と期待されていたのが印象的でした。
そこで伺います。
Q.厳しい暮らしをしている区民は利用できず、また同じ轍を踏むことになりますが、助成額の根拠をお聞かせください。
A.生活保護費で購入する際の特別基準62, 000円を踏まえつつ、複数の店舗の販売価格を確認して決定したものです。
Q.普通の暮らしがしたいという区民の願いに応え増額すべきです。所見を伺います。
A.本来は生活費の中から捻出していただく費用であり、生活保護世帯を対象とするエアコン設置助成は他区でもほとんど実施していないものであることから、これ以上の増額は考えておりません。
次に、制度を利用しやすくするための周知について伺います。
Q.わが党は、生活保護Q&Aや申請用紙を窓口に置くように、この間も、小林議員、清水議員が取り上げました。しかし、Q&Aは、生活福祉課の壁に貼ってあるだけです。近隣区はホームページに、ご案内、しおりが必ず掲載されているのに、なぜ豊島区だけ無いのでしょうか。区民に寄り添う気持ち、手を差し伸べる姿勢があると言えませんが、いかがでしょうか。
A.現在、区の「生活保護のしおり」等については、所内に掲示するとともに、生活に関する様々な相談があった際に、しおり等を用いて、分かりやすく制度等の説明を行っております。区民の方の気持ちに寄り添い、必要な方に、生活保護を受けていただけるよう、心がけております。
Q.直ちにQ&Aをホームページに掲載し、あらゆる窓口や棚に、誰もが自由に手に取ることができるように置くべきです。
A.今般、東京都が「生活保護のしおり」「Q&A」等の標準例を作成することとなりました。区はそれを活用して、区のしおり等を改訂し、併せてホームページ等、周知方法についても検討してまいります。
Q.多くの自治体が、相談を呼びかける周知ポスターを作成しています。本格的なポスターを作成し、多くの区民が目につくようにすることを求めます。
A.周知ポスターにつきましては、昨年度、職員の手作りで作成いたしました。効果的な区民の皆様への周知については、今後とも工夫してまいります。
次に、扶養照会についてです。
扶養照会が大きな壁となり、家族親族に知られるのをためらい、申請できない人が大勢います。厚生労働省は2021年に、扶養照会の運用を、より慎重に変更する通知を自治体に出しました。
そこで伺います。
Q.申請者の希望にそって、照会をやめた自治体が生まれています。しかし、本区では隣接区と比べても、まだまだ多く行われています。申請者の意思に反して行うようなやり方は改めるべきです。
A.本区は制度の趣旨を踏まえつつ、申請者の実情に合わせて柔軟な対応をしてきております。昨年度の新聞報道によっても、他自治体と比べて多く行われているということはありません。
Q.区のQ&Aには、「長期間、音信不通の場合、扶養調査を保留する場合もある」などとありますが、他区のように「福祉事務所から直接の照会を行わない」とか「基本的には扶養照会を行わない」などの表現に変えて、不安を解消し、寄り添う内容にすることを求めます。
A.「基本的には扶養照会を行わない」などと表現することは制度の趣旨を逸脱しているのでできませんが、「Q&A」における扶養照会の記載については、今後示される都の標準例に合わせて改訂いたします。
次に、職員体制の強化についてです。
心身的に激務であるケースワーカーの仕事には、訪問調査があります。生活状況に即して、適切に相談援助、自立支援を行なっていくために不可欠で、厚労省は、少なくとも年に2回以上訪問することとしています。
Q.お尋ねしますが、本区において、訪問できていない世帯はありますか。詳細にお答えください。
A.昨年度、ケースワーカーが家庭訪問等をできなかった世帯は、居宅生活者全体の約10%でありました。これは、仕事やデイサービス等で日中は会うことができない世帯も一定数あること、コロナ禍で訪問を自粛していたことの影響等によるもので、電話などにより生活状況の把握はできております。
厚労省は、現業員の定数は、被保護世帯80につき1人を標準としています。本区のケースワーカーは68名。1名あたり86人とオーバーしていますが、担当を持っていない相談員6名を加えているため、79人であるとしています。
そこで伺います。
Q.職員を増やさなければ、現場が疲弊し、対応がおろそかになります。確認したところ、136世帯の担当を持っているケースワーカーもいます。増員すべきです。所見を伺います。
A.ケースワーカーは地区ごとの特徴などにより負担度も異なるため、担当世帯数の多寡はありますが、全体として国基準のケースワーカー及び相談員合わせて1 人当たり80 世帯を基本としつつ、被保護世帯数の動向等も踏まえ、これまで同様、業務に必要な人員を確保してまいります。
次に、生活保護世帯の大学・専門学校等への進学について伺います。
高校までと違い、進学すると世帯分離することとなり、生活保護の対象から外され、世帯の生活保護費が減額されます。昨年度、進学準備給付金を受けたのは5件だけ。家庭の事情で進学を諦めるとか、金銭的な事情で退学するという事例が跡を絶ちません。この制度の狭間こそ改善が必要です。
そこで伺います。
Q.誰もが等しく学ぶ権利を保障しなければなりませんが、どのように考えますか。
A.貧困の連鎖を防止する観点から大変重要な課題であり、また、生活保護世帯だからという理由で進学希望をあきらめるようなことがないようにすべきと考えております。
Q.生活保護と同程度の金額を支給する制度や、給付型奨学金制度の創設など、あらゆる手立てを尽くすべきです。答弁を求めます。
A.進学のための支援としては、学習塾代や受験料等の支給、新生活の立ち上げ費用としての「進学準備給付金」のほか、国による奨学金や授業料の減免があります。生活保護と同程度の金額を支給する制度など、区独自に新たな給付制度を創設する考えはありません。
障がいのある方の支援策について
日本が2014年に批准した障害者権利条約は、障がいのある方が、ない人と同様に当たり前の暮らしをするために、あらゆる権利を保障し、支援をおこなう社会的責任が国や自治体にあることを宣言しています。障がい者福祉を拡充するには、国際的に極めて低い障がい関連予算の抜本改善が必要ですが、国の具体的支援は無いに等しく、障害年金も低いままです。
そこで質問します。
Q.障がい福祉関連予算を、早急かつ大幅に引き上げて、公的責任を果たさなければならないと考えます。所見を伺います。
A.障害の有無に関わらず、当たり前の暮らしが保障される社会の実現に向けて必要なサービスを提供することは、行政の重要な役割であると認識しております。
障害福祉分野の令和6年度新規・拡充事業では、重症心身障害児や障害者を在宅で介護されるご家族の負担軽減を目的とした看護師の派遣や、医療的ケア児及び重症心身障害児の放課後等の支援など、きめ細かな支援策の充実を図っております。
また、障害福祉施策としましては、令和4年度には、医療的ケアを必要とする方が利用する目白生活実習所分室の開設や、難病患者福祉手当の支給月額を12, 000円から15, 000円に引き上げ、さらに、令和5 年度には、地域活動支援センター運営費補助の拡充、地域生活支援拠点へのコーディネーターの配置、身体障害者手帳1級から4級の肢体不自由の方などへの機能回復券の支給枚数を6枚から12枚に倍増するなど、毎年、施策の充実を図っているところであります。今後も、障害者団体や、医療的ケア児等支援協議会等、当事者やご家族、関係者の皆様のご意見をお伺いしながら、障害福祉施策を実施してまいります。
具体的施策として、まず、日常生活用具・住宅設備改善費の給付等について伺います。
Q.物価高騰で、支援用具が値上がりし、車イス、情報意思疎通支援用具などが、基準額を超えているケースが散見されます。また、耐用年数についても日進月歩のアプリケーションソフトが5年、視覚障がい者用時計が8年など長すぎます。価格に見合った基準額の見直しと、耐用年数は短縮すべきです。
A.情報意思疎通支援用具など、障害者の日常生活を容易にするための用具は、「日常生活用具」と定義され、地域の特性や利用者の状況に応じ、各自治体が実施するサービスに位置付けられております。「日常生活用具」の基準額につきましては、2 3区の状況も参考にしながら、これまで必要に応じ見直しをし、現状、他区と大きな差がない状況でありました。しかしながら、今年度は物価高騰により、基準額を超えて、自己負担額が増えている種目もあることは認識しております。
耐用年数につきましては、ほとんどの種目で、他区と同様でありますが、視覚障害者用時計などは、豊島区よりも短い耐用年数にしている区が増えつつあります。
こうした状況を踏まえ、種目ごとの実態、2 3 区の最近の動向などを精査し、基準額や耐用年数などについて見直しを検討しているところです。
なお、車いすについては、身体の欠損又は損なわれた身体機能を補完・代替する「補装具」と位置付けられており、補装具支給は国の一律のサービスとなっております。補装具の基準額等の見直しにつきましては、現在、国において検討をしていると把握しております。
次に、福祉タクシー券について伺います。
Q.現在、3,300円分のタクシー券が交付されていますが、長年据え置かれたままです。タクシー代は値上がりしており、こうした施策を拡充してこそ、物価高騰対策、外出機会を増やす対策として、区民を励ます応援施策と言えるのではないでしょうか。
A.現行のタクシー券月額3, 300円は、平成21年に2, 800円から500円引き上げたものです。コロナ禍においては、タクシー券の利用率も7割を割り込んでおりましたが、今後は、外出機会の増加も想定されるため、利用率の動向を注視し、増額等の検討もしていきたいと考えております。
Q.また、500円と100円という2種類あった券が、2022年度から300円券に統一されたことで、不便になったという声があります。以前のように100円単位で支払えるよう、改善が必要ですが、いかがでしょうか。
A.500円券と100円券の2 種類あったものを、300円券l 種類とした理由につきましては、タクシー料金の支払い時に、障害手帳を提示のうえ、2種類の券と小銭の支払いがあり、券の識別や支払い行為事体が負担であるとのご意見を受けたものです。また、すべて100円券にすると、量がかさみ、枚数を数える手間も増えることになります。したがいまして、現在、100円券の復活は考えておりません。
次に、視覚障がいのある方の支援策について2点質問します。
1点目は、2022年に施行された、障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法に基づく支援策についてです。法律は、基本理念に「障害者が取得する情報について、可能な限り、障害者でない者が取得する情報と同一の内容の情報を取得することができるようにすること。」とあります。
そこで伺います。
Q.区は、この法律をどのように考え、どのような対策を行なっているのでしょうか。
A.令和4年に施行された障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法においては、「すべての障害者があらゆる分野への参加を可能とするため、情報の十分な取得利用・円滑な意思疎通が極めて重要であるという認識のもと、施策を総合的に推進することで、障害の有無によって分け隔てられることない、共生社会の実現に資すること」を目的としており、区としても、国や東京都、地域の事業者や区民の皆様と連携し、推進していく必要があると考えております。法の趣旨に基づき、区の行政情報の発信については、誰にとっても利用しやすいホームページとなるよう、「ウェブアクセシビリテイガイドライン」を定め、運用しています。このガイドラインにおいて、例えば、ホームページ作成の際に、視覚に障害のある方などが利用する、「読み上げ機能」の使い易さを確認できる「アクセシビリティチェック」を、必ず行うこととしています。さらには、外国籍の方や障害の種別や程度により、情報提供の際に配慮を要する方のためには、音声変換器や点字プリンター、手話トークなど各種機器の貸し出し情報なども庁内で共有し、来庁された方に応じた情報保障を心がけています。
Q.現時点、点字化されているのは、広報としま、区議会だより、選挙公報ですが、区民宛に発送する文書についても点字にできるよう改善すべきです。
A.現在、点字化対応している広報としまにおいても、点字には時間を要することから、事前に申し出ていただくことが必要となります。その他、区民宛てに発送する文書は、種類も多岐にわたり数も膨大になることから、点字での対応は非常に難しい状況です。
Q.また、文書発送の封筒に、担当課名の点字シールを貼っているのは、障害福祉課、介護保険課と聞いていますが、希望者に対しては、全ての封筒に担当課名と、直通電話番号の点字が必要と考えます。いかがでしょうか。
A.現在、障害福祉課と介護保険課では、お申し出いただいた4名~ 6名の方に対し、封筒に課名を点字で印字し対応していますので、直通電話番号も追加して表示することは可能です。
しかしながら、全課体制の文書封筒に関しては、大量発送する封筒から取り出して点字化対応することは困難であると考えております。今後、点字を日常的に使っている方のご意見をお聞きしながら、有効策を研究してまいります。
2点目は、高度化PICSを設置することについてです。
高度化PICSは、高齢者や障がい者などに、歩行者用信号機の状況をスマートフォンで音声や振動で提供し、安全に横断できるように支援するシステムです。都内では、新宿区内にある15交差点に導入されていて、確認したところ、とても利便性を感じました。
そこで伺います。
Q.音響式信号機増設と合わせて、高度化PICSの導入を、警察に対し、働きかけてみてはいかがでしょうか。所見を伺います。
A.視覚に障害のある方にとって、横断歩道を安全に渡るための誘導ツールとして、音響式信号機がありますが、音を出して誘導するため、夜間の音が迷惑との理由から時間帯によっては消音している信号機もあると伺っております。
一方ご指摘の、高度化PICS は、携帯電話に専用アプリをダウンロードすることで、信号の色を音声や振動で通知したり青信号の延長ができる仕組みであるため、騒音の心配は軽減されるのではないかと考えております。区としましても、障害者の安全対策委員会で当事者の方や警察などから情報提供いただきながら、利便性や有効性について研究し、必要に応じて関係部署に働きかけて参ります。
池袋駅西口地区市街地再開発計画について
今、都心部では、国による異次元の金融緩和や都市計画規制緩和によって、大規模な再開発が乱立しています。高さ日本一を競う再開発が、麻布や東京駅等に、国際競争力の強化という名目で進められていますが、その目的は達成されず、東京一極集中が進み、地方は疲弊し、地域間格差は増すばかりです。
昨年の副都心開発調査特別委員会で、私の質問に、区は「民間の事業である」と繰り返し答えました。しかし、都市計画決定するのは豊島区と東京都です。容積率を増加し、補助金を投入し、バブルと言われる土地価格の上昇で、大きな開発利益のほとんどを手にするのは、開発企業デベロッパーです。国は社会保障費の増大で財政が厳しいと言いながら、大企業には大盤振る舞いです。
そこで伺います。
Q.オフィス需要は、在宅勤務の定着や外資系企業の事業見直し等で、極めて厳しい状況にあります。賃料の低下傾向は続き、都心5区でも空室率が危険水域といわれる5%を超えて推移しています。今後、一層の人口減少・高齢化という構造的な問題が進み、就業人口は減少。さらにオフィス需要は確実に減少します。こうした点が、本事業にどう反映されているのか、またどのように影響するのか、お答えください。
A.東京都の策定した都市づくりのグランドデザインでは、広域的な都市づくりの観点から、人口減少社会においても持続的な発展を図っていくためには、池袋など中核的な拠点において、国際ビジネス、業務、商業、芸術・文化、観光、居住など地域特性に応じた多様な機能の集積を図るとしております。
また、池袋駅コア整備方針2024では、国際アート・カルチャー都市の実現のためにも、池袋駅周辺においては、業務も含めた多様な都市機能の集積と連携を図り、情報発信により国内外から人を集め、拠点性を高めていくとしています。このため、これまで当該準備組合等が都市計画を検討する際は、これらの上位計画等に沿った機能導入を図るよう指導してきております。
Q.サンシャイン60を、高さも面積もはるかに超える計画です。これらが公共貢献にどう資するのか、また、区民の要求そのものであって、生活向上に資するものなのかが問われますが、区は、どのように考えているのか。具体的にお答えください。
A.池袋駅西口地区においては、現状、土地・建物の状況として、細街路に面する細分化された土地が多いことや、建築後40年を経過した老朽建物が多く、施設の更新時期を迎えています。また都市基盤の状況としては、駅前の車道などの交通インフラが歩行者バリアとなっており、回遊性が乏しいこと。駅の出入口がわかりづらく、滞留や交流を促す心地よい歩行者空間が不足していること。バスやタクシーの乗降施設が分散し、分かりづらいこと。西口五差路交差点の形状により、円滑な車両交通や歩行者の駅からまちへの移動を阻害しているなどの課題があります。
当地区再開発事業は、街区の再編や駅前広場の再整備、駅まち結節空間としてのサンクンガーデンの整備、防災機能の強化などを行うごとで、先ほど申し上げた課題を解決し、区民生活の向上や、区が目指す当地区の将来像の実現に寄与するものです。
Q.池袋駅は豊島区の玄関口です。事業計画・資金計画等、全てを情報公開した上で、区民と十分話し合いを重ね、みんなで決めたものでなければなりませんが、そうなっていないことについて、どのように考えますか。
A.池袋駅西口地区をはじめとする、第一種市街地再開発事業においては、土地や建物の所有権に関わる従前の権利を従後の権利に置き換える仕組みであることを踏まえ、関係法令には、それに相応した関係者の意見の反映方法などが定められております。具体的には、施行者が再開発事業の都市計画決定後に資金計画を含む事業計画を作成した上で、関係権利者が事業計画の意見書を提出できることや、再開発組合の場合は関係権利者による総会にて事業計画を決定することなどが関係法令に定められています。なお、区は東京都の認可後に、当該事業計画について区のホームページで公開等を行っております。
Q.早急に、区民に広く丁寧に説明し、忌憚のない多くの意見を聞く機会が必要と考えます。
A.池袋駅西口地区の再開発については、先日事業者において、都市計画提案に先立ち、区域内及び周辺の方々を対象とした説明会を実施しております。今後、区は都市計画手続きの中で、都市計画案に対して、区民の皆様等の意見書提出の機会を設けてまいります。
Q.同時に全戸配布形式のアンケートが必要です。また、都市計画法にある公聴会は必ず開催することを約束していただきたい。いかがでしょうか。
A.地区計画を除く都市計画案の作成について、都市計画法では、「必要があると認めるときは、公聴会の開催等住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずる」としており、住民の意見を反映させるための措置としては、公聴会の開催に限らず、説明会の開催も認められております。このため本区においては、都市計画の案の作成に際して、これまでコロナ禍の時期を除き、計画に関する説明に加えてその場で質疑応答できるよう、説明会の開催が必要と判断し実施してきたところです。
今後も説明会を実施していく方針に変わりはなく、公聴会や全戸配布型のアンケートを実施することは考えておりません。
Q.デベロッパーが敷いたレールにそって、都市計画決定し、認可を行い、言いなりになるような都市計画であってはなりません。物価高騰対策を充実してほしい、福祉くらしを豊かにしてほしい、これが多くの区民の願いです。オフィス需要が減少、みどりは不十分な計画、地球規模で気候変動が危機的になっている下で、将来に禍根を残すような巨大再開発計画は容認できません。公共の福祉、区民の利益にかなう計画に見直すよう強く求めます。
A.区は、区が目指すまちづくりの方向性に沿って個々の再開発事業が行われるよう、再開発準備組合等を指導するなど事業者に対し積極的に働きかけてまいりました。当地区再開発事業は、先ほど申し上げた通り、街区の再編や駅前広場の再整備などを行うことで、当地区の現状の課題を解決し、区民生活の向上や、区が目指す当地区の将来像の実現に寄与するものであることから、計画の見直しを事業者に求めることは考えておりません。
子どもたちが運動する空間の確保について
私は、昨年の決算特別委員会で、区立体育館を子どもたちに開放し、様々なスポーツができるよう提案し、答弁は「各所管が集まってプロジェクトチームを作って検討していく」というものでした。
そこで伺います。
Q.体育館の開放については、施設利用者への配慮は当然のことながら、放課後、土日や夏休みなど、しっかり確保すべきですが、どのような事業になるのでしょうか。
A.当初予算案では、「スポーツのチカラで子どもたちの健康な未来を築こう!」の区民提案の中で、体育館を子どもたちに開放する事業予算を計上しています。事業の内容は、近年の猛暑化で子どもたちが屋外で思い切り体を動かすこと困難になっていることから、夏休みに区立体育館を無料開放する時間帯を設けることを考えています。そこでは、基本的に自由に体を動かしてもらい、各指定管理者の創意工夫でいろいろな競技ができるよう、今後、詳細を詰めていきます。
なお、屋外体育施設についても、夏の期間を除く年間を通して小・中学生が自由に使えるように無料開放する時間帯を設置してまいります。
Q.また、体育館、プール、競技場の個人公開の小中学生の使用料は200円ですが、100円以下にしている区は13区あります。江戸川区は50円、練馬区は無料という所もあります。引き下げを検討してはいかがでしょうか。
A.施設の利用料金は、施設利用の対価として指定管理者が条例で定める額の範囲内において利用者からいただくものであります。昨今の光熱費の高騰を受けて、東京都では利用料金を値上げしている体育施設もありますが、本区では指定管理者が利用料金を値上げせず運営できるよう光熱費の補填を行っている状況です。先ほど述べました子どもレターでも要望があり、また、安価で手軽にスポーツを親しめる環境があることは、スポーツを通じた健康づくりやストレスの解消、コミュニケーション能力の育成など、子どもたちにとって大きな効果がありますので、指定管理者との協議や他区の状況を考慮しながら、利用料金の引き下げについて検討してまいります。
2点目は、小学校入学前の幼児期の子どもたちが、かけまわる空間の確保についてです。
幼児期に、よく外遊びをしていた小学生は、運動の習慣と体力が身につき、精神的にも安定するということがいわれています。区内の保育園、幼稚園では、かけまわる空間の確保にたいへん苦慮していると伺っています。担当課に確認したところ、現在、保育園、幼稚園に校庭を開放している小学校が12校ありました。
そこで伺います。
Q.学校は、教育活動が最優先でなければならないことは重々承知しておりますが、できる限り開放する時間を増やしていただきたいと考えます。関係者の声を聞き、校庭を開放することの重要性を、改めて学校に働きかけてみてはいかがでしょうか。所見を伺います。
A.区内保育施設の校庭開放利用は、平成29年度から始まりました。その重要性については、既に認識しており、毎年、年度初めの校長会で学校に周知しており、各学校で利用可能な日を調整後、利用をいただいております。
園児の皆さんのため、今後も協力してまいりますけれども、平日午前中は授業でも使用するためなかなか空きが無く、充分な利用可能時間の提供ができない事情もございますので、それにつきましても、ご理解をいただければと思っております。
人に優しいベンチの設置について
「ベンチの数を増やしてほしい」という要望を元に、昨年、第2回定例会の一般質問で取り上げました。ベンチに、ホームレス対策として仕切りや突起物が付けられている、いわゆる排除ベンチについて、誰も排除してはならない、具合の悪くなった人が横になれないという観点で、無くすよう求めました。予算に、「区民提案としまベンチプロジェクト」が計上されています。「誰でも座れるベンチで、移動や交流を支援します」という事業に期待しております。
そこで伺います。
Q.ご高齢の方から、「体力的に厳しく、買い物に行くのも一苦労。日陰で座れる場所があれば助かる」という声が数々寄せられます。設置場所をどのように考えているのでしょうか。
A.設置場所については、高齢者や障害者などがベンチで一休みできることで、徒歩での外出がしやすくなる場所に設置することを考えております。具体的には、高齢者の生活支援推進員やコミュニティソーシャルワーカーなどを通じて地域のニーズを把握し、商店街や坂の途中などベンチを置くとよいと思われる場所を確認するとともに、商店や事業所、マンション、民家の前など民有地への設置協力を求めていく予定です。
Q.ある程度、幅員があれば、歩道上に、日除けのある、いつでも誰でも休めるベンチが必要と考えますが、いかがでしょうか。
A.「としまベンチプロジェクト」では、外出支援の視点から地域のニーズを把握し、必要と思われる場所への設置を進めていく予定です。そのため、ある程度幅員のある歩道であっても、一律に設置が必要とは考えていません。プロジェクトの取組の中で、歩道への設置を検討する場合には、通行の妨げにならないか等、関係部署と連携し、進めてまいります。
Q.本事業については、仕切りや突起物は必要ないものと考えます。
A.本事業で設置するベンチは、既成の一般的なベンチ、椅子、発災などの緊急時に担架になるベンチの購入の他、ベンチの組み立てを地域住民と行うイベントを実施し、設置していくことを検討しています。また、仕切りは高齢者が立ち上がる際の支えになることもあるため、設置する場所や地域での検討過程により、ニーズに応じた様々な形状のベンチを設置していきます。
A.イケサンパーク、南池袋公園には排除ベンチはありません。公園や駅前広場等に設置されているベンチについても、仕切りや突起物は取り去り、誰も排除しない、人に優しいベンチにすべきと考えます。改めて区の所見を伺います。
A.公園に設置しているベンチは、不特定多数の人に利用してもらうために設置しており、特定の人が長時間占有することは認めていません。
仕切りや突起物については、寝泊りなどの独占的な使用を防止するために必要な器具として設置していることから、それらを取り外すことは考えていません。また、仕切りとしてのベンチのひじ掛けは、足の不自由な方が、座ったり、立ち上がったりする際の補助に供するものとして設置しております。
AED増設と改善策について
担当課によると、区内における救急車の出動件数は、2022年までの2年間に約2割も増加。また、都内全体において、新型コロナで搬送された件数は、2020年は789件だったのが、2年で28,532件と激増。この影響で119番通報してから現場到着までの時間は6分29秒だったのが、2年間で9分43秒となってしまいました。心停止から命を救うにはAED増設が必要不可欠です。
そこで伺います。
Q.以前、豊島区AEDマップに掲載していた隣接区の情報が無くなっていますが、復活すべきです。
A.隣接区や区内民間施設等に設置しているAEDの情報は、一般社団法人日本救急医療財団の全国AEDマップで確認することができ、区ホームページでもご案内しております。
本区においても、令和2年度までは隣接区等のAED設置情報を掲載したマップを作成しておりましたが、日本救急医療財団のAEDマップはリアルタイムで更新が行われるので、より利便性が高い等の理由から、作成方法の見直しを行い、現在は区有施設等で管理するAED情報を掲載しております。なお、区有施設等で区が管理するAEDの情報についても、日本救急医療財団のマップに登録を進めております。そのため、豊島区のAEDマップにおいて以前のように隣接区のAEDの設置情報等を掲載する予定はありませんが、区ホームページにおいて、日本救急医療財団のAEDマップと豊島区のマップの説明をわかりやすく記載し、丁寧に周知してまいります。
Q.また、区が設置に関わったAEDしか掲載がなく、その他は、日本救急医療財団による全国AEDマップが別にリンクで貼ってありますが、全ての情報を一元化すべきです。
A.今申し上げた理由から、日本救急医療財団のAED マップにおいて一元化を図ることが合理的と考えます。なお、他区のホームページにおいても、区有施設以外のAED を検索する際には、日本救急医療財団のマップを案内しています。
現在、区が設置しているAEDは220台、ファミリーマートと締結した24時間使用可能なAEDは84台、合計304台です。
Q.特に、夜間や早朝、土日など、24時間いつでも使えるAEDが必要です。他自治体が行なっている、学校や図書館、体育館、集会室など、区民が利用する施設の出入口に設置するとか、公園のトイレなどに設置する。また屋外に設置できるAEDもありますので、24時間いつでも使えるAED増設が必要です。
A.平成3 0年1月22日にファミリーマート株式会社と協定を締結し、区内の8 4店舗にAEDを設置しております。コンビニエンスストアの立地の特性から駅周辺や市街地比べると、住宅街には24時間利用可能なAEDが少ないことから、AEDの設置状況を確認した上で、区有施設等で屋内にあるAEDを屋外に設置するなどの取り組みを検討をしております。
Q.またボタンの押し間違えがないと言われているオートショックAEDの導入も増やしていただきたいと考えます。
A.電気ショックを行うためボタン操作を省略することで、救助者の心理的負担の軽減効果等が期待できため、今後AEDを新たに設置したり、更新したりする機会にオートショック機能がついた機種を検討するよう所管課に働きかけてまいります。
Q.女性へのAED使用については配慮が必要です。衣服を脱がせることへの抵抗感から躊躇してしまう問題があるからです。衣服をずらしてパッドを貼ることができることや、上から衣服や風呂敷などをかけて使用できることなどの説明書を作成し、身体を覆う布などと共に、AEDと一緒に置いておくことを求めます。
A.区ホームページに、女性にAEDを使用する際のポイントなどを説明書付きで掲載しています。今後、説明書をAEDと一緒に設置するとともに、身体を覆う布の用意などについても検討してまいります。
以上
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